そうだ、映画を見よう。

映画見始めました/鑑賞備忘録

トーク・トゥ・ハー

スペイン映画 トーク・トゥ・ハー

バッド・エデュケーション のペドロ・アルモドバル監督作品です。

 

トーク・トゥ・ハー [Blu-ray]

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う〜ん、色々と考えさせられました。

 

 

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病院のベッドに眠る美女アリシア。そして彼女に語りかけ

世話をする看護士ベニグノ。

しかしいくら話しかけようともアリシアに目覚める様子はない。

 

アリシアは4年間昏睡状態であった。

彼女が起きる事を信じて、毎日世話し続ける献身的なベニグノ。

 

一方記者マルコはテレビに映る女性闘牛士リディアに興味を持ち、

記事を書くため彼女の元を訪れる。

 

リディアと親しくなり恋人の関係になったマルコ。

彼女の試合を見に行くが、その試合でリディアは怪我を負ってしまう。

彼女は目を覚まさなかった。

 

同じ境遇の女を愛するベニグノとマルコは

同じ病院で出会い、顔を合わせるうちに友情を深めて行く。

 

そんなある日、寝たきりのアリシアに妊娠が発覚する。

 

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究極の純愛…突き詰めたらこういう事なのかも知れませんね。

あまりに一方的だけど、それこそ愛なのかも…???σ(´ x `;)

 

これもフェレ・マルティネスさんが出てたんですが

な、なんちゅう役や…!!と唖然としました(笑)

ベニグノの意識を変えた重要な、無声映画の男性役なんですが

なんというか…

エロ漫画広告バナーにありそうなシチュエーションだな? (⌒_ ⌒;ゴメンナサイ

 

 

ネタバレあり↓

 

 

 

 

ベニグノがアリシアとの出会いをマルコに伝えるシーンで

ゾワッとしました。

 

最初はベニグノとアリシアは夫婦とか恋人みたいな

親密な関係だと思ってたもんだから…

 

でもアリシアが昏睡状態になる前の行動は、所謂ストーカー。

家まで押し掛けるのもコワイ。

 

だけど、

無声映画「縮みゆく恋人」での、縮んだ恋人が彼女の子宮に入るシーン。

縮んでしまい元に戻る術がなくなった男性は、彼女の中から永遠に戻らなかった。

ベニグノも、彼女が以前の状態に戻らないのではという気持ちが心の隅にあって

対等な立場で受け入れられないのなら

いっそこんな風に彼女の中に入りたい…と考えたのかな〜と。

 

それまでの彼は、青春時代を母の世話だけして生きてきました。

世話をする事が愛の表現の仕方だと思っていたけど

相手を女性として愛するとき、その表現の方法を無声映画

初めて知った、感じたのかなと思いました。

 

アリシアの父(精神科医)の診察でも女性経験がないと言ってましたし、

無知だったんですね、愛について。

 

ベニグノは、妊娠が発覚して刑務所に入れられるんですが

すごく人間味がある人物になったように思いました。

人を愛して、孤独を感じて、寂しい人生だったと泣いてしまう。

 

結局彼は、妊娠し死産をしたアリシアの事を聞き

出所してもアリシアに会えないのであればと、昏睡状態になれるだけの薬を飲み

彼女のもとへと旅立ちます。

しかし彼女は死産をきっかけに目覚めており、それを知らないのはベニグノだけでした。

 

皮肉すぎる…

彼女の元へ行こうと思ってもすれ違って、会えず仕舞いのベニグノ。

しかも4年間の世話と妊娠がきっかけ(結果的には)で目覚める事ができた

アリシアは何も真実をしらない。

ベニグノにとってある意味幸せだったのかもとも思えますが、悲しい。

 

 

一方マルコは献身的にリディアを世話するでもなく触れられず、

闘牛に突かれて眠る前にこっそり元彼とヨリを戻されているしで

これまた不憫。

 

愛を知っているつもりで知らなかった、深く愛を捧げられなかったからこそ、

ベニグノの熱心な想いに惹かれ、友情が深まったのかなと思います。

 

最初はなんでこんなにベニグノに思い入れあるの…ただのストーカーやで?

と思ってましたが、感想を書いている内に色々考えてしまいました。

 

 

寝ている美女をどうこうして起こすって

眠れる森の美女と同じシチュエーションですね。

美男だったら美談に…まあ行為の違いが著しいんですが!!

キスくらいで目覚めたらよかったのにね。アリシアは何も知らない方がいい。

 

 

愛の形が歪で、ちょっと受け入れられなかったけれど

深く考えさせられるお話でした。